カンファレンスプログラム

C-2 11月15日(水) 14:00〜16:00 会議センター[503] 聴講登録はこちら

人間中心設計フォーラム2017

使いやすく魅力的なIoTとソフトウェアを目指して


リコーにおける新規事業開発でのHCD活動事例

新規事業に必要な新しい価値の提案に向け、現場に入り込むエスノグラフィとプロトタイピングによる探索チームを立ち上げ、新規商品・サービスの提案を行ってきている。 360度カメラ RICOH THETA を用いたソリューションを例に、新しい商品・サービスの成立に必要な要素を踏まえたHCDプロセスの実践事例を紹介する。

望主 雅子

株式会社リコー SmartVision事業開発本部 市場開拓グループ

研究開発部門で自然言語処理、音声対話、知識処理分野の研究ののち、エスノグラフィを研究所に導入。 インタラクティブホワイトボード、工場向けカメラシステムなどの新規商品・ソリューションの企画、提案に携わる。 組織横断での顧客起点に関するコミュニティを立ち上げ、社内でのHCDプロセス等の手法展開、ネットワーク構築にも努めている。 HCD-Net認定 人間中心設計専門家。


トッパンフォームズにおけるHCD活動事例

金融系帳票から流通系ダイレクトメール、Webなどの評価、改善。それらの実践から得られた、ユーザビリティ改善を阻む組織構造的問題の考察。

トッパンフォームズは、データと連携した印刷に特化しており、銀行や保険などの金融系帳票、通販のダイレクトメールなどで日本でトップシェアである。金融系の印刷物は内容が専門的という特徴がある。当社はそれらの改善に向け、視線計測や脳波計測なども用いた各種ソリューションを用意しており、ソリューションと改善事例を紹介する。また、日ごろの活動を通じて得られた改善の組織構造的問題を紹介する。

指澤 竜也

トッパン・フォームズ株式会社 企画販促統括本部企画本部マーケティング部

1994年より独立系コンサルティング会社、メーカー系シンクタンク、社団法人で、マーケティングリサーチ、ユーザビリティコンサルティングに従事。2015年にトッパン・フォームズ(株)に入社、各種製品・サービスのユーザビリティ改善に従事。


Orphe、スマートフットウェアの開発デザイン事例

本公演では2016年9月より世界に先駆けて発売されグッドデザイン賞、メディア芸術祭等注目を集めたスマートフットウェア「Orphe」の開発事例を紹介しながら、IoT製品、ウェアラブル製品の企画の手法や、またスタートアップ企業のような少人数体制におけるデザイン、製造といった開発プロセスについて考察する。

菊川 裕也

株式会社no new folk studio 代表取締役社長

一橋大学商学部経営学科を卒業後、首都大学東京大学院にて芸術工学を専攻。 2014年より新しい音楽演奏用インタフェースの研究として開発を始めたスマートフットウェア「Orphe」の製品化をきっかけに株式会社no new folk studioを設立。 「日常を表現にする」をキーワードにIoT製品を提案していくハードウェアスタートアップ企業として注目を集める。 受賞歴に日本メディア芸術祭審査員特別賞、日本グッドデザイン賞、Music Hack Day Barcelona – Sonar賞他。


エクスペリエンスデザインによる価値創出

UXの価値・意味・人間中心主義からの脱却による価値の捉え方

国内産業においてイノベーションの必要性が叫ばれて久しく、多くの産業・企業が技術革新を中心としたイノベーションの創出に取り組んでいる。片方で、世の中からイノベーションと評価されるサービスや製品が数多く出ていない状況も事実である。価値やニーズが複雑化する今の時代において企業は、技術的側面と市場的側面に加えて、顧客たる生活者や製品・サービスの利用者に対して革新的な価値を提供するためには、「何を価値と見るか?」の視座と視点の転換が求められている。このような視座と視点の転換を行うためにデザインが貢献できることは何か?について、本講演では話題提供したい。

井登 友一

株式会社インフォバーン 取締役 執行役員 京都支社長

デザインコンサルティング企業にて、リサーチ&エクスペリエンスデザインの専門部署立ち上げに参画し、デザインリサーチ手法を主軸アプローチとする定性的なユーザーインサイトに基づデザインプロジェクトを数多く推進。 現在は株式会社インフォバーンにおいてデザインコンサルティング、サービスデザインの事業管掌・執行を担当。
日本プロジェクトマネジメント協会認定 プロジェクトマネジメントスペシャリスト
HCD-Net理事
京都女子大学 非常勤講師


IoTのためのHCD/UX活動のアプローチ

これからのIoTを活用した製品やサービスの企画開発の検討する上で、ユーザーエクスペリエンス(UX) のアプローチは不可欠である.IoTによりユーザーの行動はデータとしてインターネットを経由して集約され、AIなどによりデータ活用することが可能となる.ここでは、HCD/UXを活用して、ユーザーにとって価値あるシステムを設計するアプローチを事例を通して解説する。

山崎 和彦

千葉工業大学 教授

千葉工業大学知能メディア工学科・教授、人間中心設計機構副理事長、Xデザイン学校共同代表。京都工芸繊維大学卒業,クリナップ工業を経て、日本IBM(株)UXデザインセンター担当(技術理事)、神戸芸術工科大学博士号授与、内閣IT本部・電子政府ガイドラインライン検討委員会委員、日本デザイン学会理事、経産省デザイン思考活用推進委員会座長など歴任。専門は、HCD/UX、デザイン戦略等。