組込み業界の発展と国内産業の
競争力向上に寄与する製品・サービスを表彰
ET/IoT Technology AWARD 2019
アワード受賞者プレゼン
11月21日(木)14:30〜15:40
授賞式:11月21日(木)16:15〜
会場内メインステージにて授賞式開催
ET/IoT Technology アワード グランプリ
Idein株式会社
「Actcast」
エッジコンピューティングプラットフォーム
【講評】 Raspberry Piを使い、エッジだけで画像認識や音声認識などのAIソリューションの構築・運用を可能にした開発者向けプラットフォーム。Raspberry Piに搭載されたSoCが内蔵する3次元グラフィックスGPUを用いることで、エッジにおける深層学習を可能にした。ActcastはSDKのほか、エッジを管理・運用する機能、エッジAIアプリケーションのマーケットプレースなどから成る。審査委員会は、Raspberry Piの脇役的存在だったSoCに注目した着眼力、GPU向けコンパイラを独自開発した技術力、イノベーションを促すマーケットプレースを構築した構想力を高く評価した。「開拓者のイメージがある」との意見も出た。
Embedded Technology 優秀賞
東京理科大学・株式会社タニタ・筑波大学・理化学研究所・株式会社アイシン・コスモス研究所
「体液から発電可能なバイオ燃料電池を搭載したウェアラブルヘルスケアデバイス」
汗中の乳酸や尿糖から発電し自己駆動により濃度をモニタリング
【講評】 汗に含まれる乳酸や尿酸、ブドウ糖などを用いて発電するバイオ燃料電池を使って、体液中の乳酸やブドウ糖の濃度、活動量や脈拍、発汗量などの生体情報をリアルタイムで収集するヘルスケアデバイス。デバイスの素材は紙や炭素で、肌に直接装着可能という特徴をもつ。印刷技術を使って製造できるので大量生産や低コスト化が可能である。審査委員会は技術面のユニークさだけではなく、高齢化が進む日本社会に向けたタイムリーな提案という市場性や社会へのインパクトも高く評価した。排尿管理といった介護現場での利用、夏場における工事現場での熱中症対策などへの応用が考えられる。
IoT Technology 優秀賞
富士電機株式会社
「電池レス無線SAW温度センサ」
200℃以上の高温・高ノイズ環境で無線温度測定が可能に
【講評】 200℃以上の高温・高ノイズ環境での温度測定が可能な電池不要のSAWセンサー。無線が必須となる、高圧配電盤の母線温度や真空チェンバーで成膜中のウエーハの温度測定などが可能になる。赤外線温度計の適用が難しい金属表面や高発光環境で使えるのも特徴。-30〜200℃の計測範囲で±1℃の精度を実現した。審査委員会は、工場やプラントの現場が実際に苦労している問題に対応するソリューションである点を高く評価した。IoTの抱える問題の一つが電池であることは言を俟たない。今回のセンサーはこの問題を解決するとともに、使い勝手に優れる無線技術を用いている点にも注目した。
Edge Technology 優秀賞
株式会社アラヤ
「ニューラルネットワーク自動圧縮ツール Pressai」
エッジAIを“自動で”実現するアプリケーション
【講評】 AIで用いるニューラルネットワークのモデルを、精度を維持しながら最大1/32にまで圧縮するとともに、エッジデバイスに搭載するCPUやFPGAに自動的に実装するツール。開発期間の短縮や専門要員の削減など、エッジAIを展開する上での敷居を下げる。演算量の削減によって圧縮する技術は独自開発。審査委員会は、クラウドを使ったAIにおけるリアルタイム性や信頼性、セキュリティの問題、通信量増加によるコスト上昇などの観点から、エッジデバイスでのAI処理が重要視されている現状にマッチしている点を評価した。類似のソリューションも存在するが、一つの提案として注目したいとの意見も出た。
ET/IoT 奨励賞
株式会社アイオーティドットラン
「Tibbo-Pi(ティーボパイ)-こころ踊るIoTデバイス-」
簡単に学べ、すぐ試せて、そのまま導入できる“IoTデバイス”
【講評】 Raspberry Piとビジュアルプログラミングツール「Node-LED」でプログラミングを行い、59種類のモジュールブロックから所望の機能を実現するモジュールを選び基板に挿すことでエッジデバイスやゲートウエイデバイスを実現するソリューション。モジュールブロックとして、9ピンDsubなどのコネクタ類、温度・湿度・照度・気圧・3軸加速度などのセンサー類、LED、ボタンなどを用意する。審査委員会は、IoTの裾野拡大に対応するソリューションであり、IoTや組込みシステムに対する考え方や開発担当者の変化に対応している点を高く評価した。よく考えられたカラーリングに注目する意見も出た。
株式会社アットマークテクノ/オープンソースプロジェクト「Deguプロジェクト」
「IoTセンサー技術「Degu (デグー)」」
センサー機能を選んでPythonで作ろう!DIY感覚で実現するIoTセンサー
【講評】 センサー機能やネットワーク機能、セキュリティ機能、センサーデータ処理機能、パブリッククラウドへのアップロード機能を提供し迅速なPoCを可能にするセンサーシステム試作サービスと、量産システム開発の受託ビジネスを組み合わせたソリューション。センサーは200種類を超えるSeeed製モジュールを組み合わせて実現。Pythonで書かれたセンサーデータ処理ソフトはGitHubで公開する。審査委員会は、IoTの裾野の広がりが実感できるソリューションであり、プログラミング言語にPythonを使うなどクラウド/Web技術者にIoTデバイス開発の門戸を開いている点を高く評価した。コミュニティづくりが飛躍のカギとの指摘も出た。
スマートエネルギー優秀賞
Tesla Motors Japan 合同会社
「Powerwall」
持続可能なエネルギーへ世界の移行を加速する家庭用蓄電池
【講評】 電気自動車で培った技術を用いた、蓄電容量が13.5kWhの家庭用蓄電池。4人世帯が約1日暮らす上で必要となる電力を蓄電できる。ソフトのアップデート機能を備え、機能拡充だけではなく、台風が接近する場合に自動的に蓄電率を高めて停電に備えるといった使い方もできる。電源を分散配置しながら1つの発電所のように機能させるVPP(Virtual Power Plant)も可能。審査委員会は、本体と管理システムで99万円と競合に比べて約1/3の価格であることや、FIT切れによる太陽光発電の自家消費ニーズの増大という状況を考えると、家庭用蓄電池の国内市場を一気に拡大させる可能性を秘めていることを高く評価した。
JASA特別賞
IOEZ Inc.
「AI Care Power System」
ToFセンサーとミリ波レーダーを使ったAI看護システム
【講評】 ToF(Time of Flight)センサーを用いて人の姿勢を把握し、転倒や落下、徘徊などを検出するとともに、ミリ波レーダーによって心拍数や呼吸数といった生理データを把握する、病院や介護施設向け監視ソリューション。病室が暗くても対応可能。1つの病室をカバーするようにToFセンサーを配置し、その情報をAIで分析して姿勢を割り出す。一定時間以上にわたって姿勢に変化がない場合にアラームを鳴らすなどの使い方ができる。映像情報が残らないのでプライバシーの問題が生じない。審査委員会は、高齢化社会に向けたタイムリーなIoTソリューションであるとともに、個人情報にも配慮している点を高く評価した。
審査員一覧 (敬称略)
審査委員長 | 山田 敏行 | ETカンファレンス委員会 委員長 |
副審査員長 | 横田 英史 | ETラボ 代表 コンサルタント 技術ジャーナリスト |
審査員 | 立本 博文 | 筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 教授 |
審査員 | 松島 克守 | 一般社団法人俯瞰工学研究所 代表理事 |
審査員 | 小澤 拓治 | CQ 出版社 取締役 |
審査員 | 中山 俊一 | テクニカル・ライター / EJoint 代表 |
審査員 | 西坂 真人 | アイティメディア株式会社 プロフェッショナル・メディア事業本部編集局 ST編集統括部副局長 兼 統括部長 |
審査員 | 大橋 太郎 | 電波新聞 |
審査員 | 白坂 成功 | IoTイノベーションチャレンジ2019 実行委員長 |
審査員 | 片岡 晃 | 独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター センター長 |
審査員 | 渡辺 博之 | 一般社団法人組込みシステム技術協会 ET事業本部長 |
審査員 | 星 光行 | ETロボコン本部実行委員長 / 株式会社ジェイテック |
審査員 | 富岡 理 | ユークエスト株式会社 |
審査員 | 進藤 智則 | 株式会社日経BP 日経Robotics編集長 兼 日経xTECH副編集長 |
一次選考通過企業
今回のアワードには、50社からの応募がありました。
惜しくも優秀賞は逃しましたが、次の企業・製品が一次選考を通過いたしました。
受賞製品ともども、そのキラリと光る技術力を展示会場でお確かめください。
出展社名/団体名 | 応募対象品 | キャッチコピー |
---|---|---|
データテクノロジー株式会社 | EMI/EMCシミュレータ(Compliance Scope) | EMI/EMC専用バーチャルラボラトリ(仮想電波暗室) |
カイクテック | 60GHzミリ波レーダーを使った3Dゼスチャーコントローラー用SOC | センサーコンピューティング方式により応答性と信頼性を向上 |
NEC | プリント基板設計におけるEMI抑制設計支援ツール DEMITASNX | AIが変えるPCB設計:デザインレビューの75%を自動化に成功 |
NEC | 適応遠隔制御技術 | 動く・曲がる・つかむ。遠隔制御でも高精度な操作を実現。 |
NEC | 自律ロボティクス技術 | ぶつからないアーム:思いやりのココロを持つ「人と働くロボット」 |
CloudMed Inc. |
iCARE/4P Algorithms/ Personal, family and small group (PFSG) Healthcare Solution/iCARE cloud service |
CloudMed is a medical device and artificial intelligence company that sells ECG/PPG/Healthcare hardware and cloud service. In the future that patients will control the health data and be emancipated from a paternalistic medical regime in which “the doctor knows best”. |
OSENSE TECHNOLOGY CO., LTD./OSENSE VBIP JAPAN | OSENSE Smart stadium solution | Capturing the real-time spatial data by optical and non-optical devices, then generating contents by AI processing in Sports and other industries. #AI generated content #AI for sports #Artificial perception with/without camera. |