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歴史的なCPUを展示するチップミュージアム -mini- が「EdgeTech+ 2022」会場に登場!
1971年にインテル社から世界初のマイクロプロセッサ「4004」が世に送り出されてから半世紀。今回は西暦2000年頃までに登場した主要なチップの中から独断と偏見で選りすぐり展示!
1971年にインテル社から世界初のマイクロプロセッサ「4004」が世に送り出されてから半世紀が経ちました。 (←実際には51年)
マイクロプロセッサはそのほかの多くの工業製品と同様に、その時代の最先端の技術を惜しみなく投入した、いわば貴重な文化遺産です。この半世紀に世の中に送り出されたチップは数多ありますが、今回はマイクロプロセッサ誕生から約30年、すなわち西暦2000年ころまでに登場したチップの中から、館長が独断と偏見で選りすぐったチップたちを展示します。実物を目の前に、当時開発に携わった方、過去の歴史に触れたい方、自分が持っているコレクションの方がすごいから自分のチップを展示すべきだと思う方、それぞれの想いで展示をお楽しみいただけると幸いです。
チップミュージアム -mini- 館長
収集家 秀関快郎 氏
【プロフィール】作者の想いが詰まった作品としての部品をこよなく愛し、中でもチップ集めをライフワークとする。収集のため、日々のジャンク屋巡回から始まり、世界中の収集家とオークションでしのぎを削るも連戦連勝には程遠く、毎度結果に一喜一憂する。たまに家族が寝静まったあと、ひとりコレクションの鑑賞に耽り、ため息をついたりにんまりしたりしているらしい。
当初、セラミックパッケージのチップの外観の作りの良さに、最先端の工業製品はすごいなと思い、もっぱらセラミックパッケージのチップを集めていました。(今はセラミック以外も集めています)
さて、Webの世界を覗いてみると、少なくない数のチップ博物館や解説のサイトがあります。それぞれ研究・調査して記載されている内容が素晴らしくて、私などはまだまだニューカマーの部類だなあと思ってしまいます。
このようなマニアの方々の知見の結集ができたら、きっと素晴らしい形でチップの記録がいつまでも伝えられるのではないか。今回この企画の話を伺って、日本でもそのようなチップ大好きな人たちが集まって皆で作る博物館が作れるといいなと考えるようになりました。きっと同好の方もたくさんおられると思います。俺の方が、私の方がいいコレクションを持っている!というあなた、一緒に作りませんか?
これははじめの一歩です。皆さんの知見やコレクションを結集し、世界に冠たるチップ博物館創設のきっかけになることを夢見てminiから歩みを始めたいと思います。
はじめの頃は学生でしたから、もっぱら自分で何かを作って遊ぶために買い始めました。使うのが目的なので、他の部品やデータブックも一緒に集めました。 一方、当時から面白そうなチップは雨後の筍のように現れていましたから、集めていくうちに一生(n生?)かかっても使いきれないくらい溜まっていきました。 そうなってくるとパッケージの違い、ロゴや印字の違い、メーカーの違いなど全方向で集めるようになり、収拾がつかなくなり、現在に至っています。今回はマイクロプロセッサを対象とした展示ですが、周辺、メモリ、なんでもござれなので際限がないのです。
ところでチップ集めは趣味として変わっているかというと、切手やコインなどの収集と同じではないかと思います。 例えば、印字が間違っていたり、バグがあって量産されなかったものがあったり。そういうレアもの、欲しくなりますよね?笑
私の人生の目標は世界を股に掛けたジャンク屋のおやじになることです。世界中からレアなチップを収集できそうだからですが、私の性格を知る友人は「非売品として店頭で見せびらかすばかりで商品にはしないだろう」と言います。果たして私はジャンク屋のおやじにはなれないのでしょうか…
マイクロプロセッサということでは富士通のMB8861N(モトローラのMC6800の命令拡張版)です。丁度月刊誌のI/OやASCIIが創刊された年、当時私は高校3年生でしたが、秋葉原の信越電機商会(現在の秋月電子通商)で、それこそ清水の舞台から飛び降りる気分で購入しました。
アマチュア無線にのめりこんでいた当時、マイクロプロセッサは異次元の世界で、概念が理解できるまでは何もできず、砂消しゴムでホワイトセラミックを磨くだけの日々が続きました。
今でも多くのチップを探し続けています。40数年、ずっと待ち続けてはじめてお目に掛かったチップや、せっかく出会えたのにお金がなくて買えなかったものなど、毎日が一期一会の出会いを求めてどきどきしながら過ごしています。
その中で、思い出深いのがMOSテクノロジーのMCS6502です。Apple ⅠやⅡ、コモドールのPETなどに使われたチップですね。初期型のパッケージのものをLID(蓋)にカプトンテープが貼られた状態で手に入れましたが、テープをはがすと印字も一緒に消えてしまいそうで、そのままの状態にしています。
その時お金がなくて買えなかったものとしてはRCAのCDP1801チップセットがあります。目の前(ネットオークションですが)で買われていくのを涙を呑んで見送りました。次は40年経つ前に出会いたいです。
これは決して言えません(笑)
相当使ったし、現在進行形です。
私自身は仕事ではゲートアレイくらいしか作ったことがありません。回折格子のようにキラキラと虹色の光を放つカスタムチップは憧れでしたが、ついぞ作る機会に恵まれませんでした。
現在のチップには「機能」というより「システム」が詰まっています。微細化プロセスも進み、極めて規模が大きく、かつ大量に使われるチップを莫大な費用をかけて開発するのがスタイルかと思います。一方、技術の継承という意味においては未来を担うこれからの技術者にチップを作る経験の場を提供することはとても重要と思います。
最先端でなくてもよい、枯れたプロセスで適切なコストでチップが作れたら、きっと多くの技術者が育つことでしょう。銘品も生まれるに違いありません。自分の思い込めて作ったチップはその人にとって一生の宝物になるはず。
この日本でそのような環境が立ち上がることを願っています。
もし皆さんがそういうチップを作ったら、作者のサイン入りでチップミュージアムに寄付してくださいね!
自分のコンピュータが作れる、というのは高校生だった自分にとっては大変な衝撃でした。これを物理的に構成するチップたちはどれも光輝いて見えました。そして収集を続けるうちに、それぞれの時代の最先端の技術の結晶であるチップを保存していくことはコレクターの責務であると考えるようになってきました。産業遺産、歴史の記録ですね。
もう一つ、売るほどの数のチップを集めているのは、孫の世代の人たちにレトロなチップを使ったコンピュータを作って「マイコン青年」になってもらいたいと思ったからです。
小学生の頃、私はラジオ少年でした。ラジオを作って感動し、その結果、電気の世界に一生を捧げることになりました。その後、マイコンを作ってさらに感動し、現在に至っています。この楽しい世界に若い人たちを招待し、感動を分かち合いたい。そのためには部品を集めて自分で作ってみるのが一番です。だからチップは失われる前にキープしておかねばならないのです。
今回、このような機会をいただき、若手の方々にも見ていただけるのはとても嬉しいことです。これらのチップを作った人たちが何を考え、どう工夫を凝らしたかに想いを馳せながら鑑賞するのは楽しいですよ。そんな世界にあなたも足を踏み入れてみませんか。
過去に学び、未来を拓くためにもこのようなチップたちが将来にわたって保存・記憶され続けることを願ってやみません。
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