出展のお問い合わせ
来場登録・ログイン

日本の産業に大きな変化の時期がやって来ています。求められるのはイノベーションです。今こそ新たな技術や製品、ソリューションで、日本経済と企業の成長を確かなものにしなければなりません。そしてイノベーションを生み出す産業として、組込み業界にかかる期待は小さくありません。

こうした状況のもと、EdgeTech+ を主催する組込みシステム技術協会は、組込み業界の発展と国内産業の競争力向上に寄与する、優れた組込み技術や製品、ソリューション、サービス、IoT技術を発掘し、その成果と功績を国内外に広く顕彰する「EdgeTech+ AWARD」を開催いたします。

これからの産業の成長を必ずや支えてくれるであろうソリューション最先端を、ぜひその目でいち早くお確かめください。

受賞企業MAP
受賞企業MAP
EdgeTech+ AWARD 2024
EdgeTech+ AWARD 2024
受賞社決定
EdgeTech+ 2024の出展社から応募のあった技術、サービス、ソリューションから、次の賞が授与されました。

受賞社一覧

  • Award Logo

    Edge Technology 優秀賞

    アマゾン ウェブ サービス ジャパン

    組込みソフトウェア開発 on AWS

    仮想化で組み込みソフトウェア開発・改善の高速化

    近年、IoTやAI/MLの普及により、組み込みシステムは複雑化・スマート化が進んでいます。このような変化に伴い、製品のリリース後も継続的な改善やセキュリティ強化が求められています。組み込みソフトウェア開発においてもサービス開発と同じスピード感で新しいソフトウェアをリリースすることが必要となります。このソリューションでは、組み込みソフトウェア開発とサービス開発におけるDevOpsをAWSで実現するためのアーキテクチャ・AWSのマネージドサービスを提供します。

    講評

    仮想化環境で組込みシステムのDevOpsを実現するAWSのサービス。主な特徴として、①ハードウエアがなくても開発を始められる、②開発者の増減に合わせてリソースをスケールできる、③開発・テスト用ハードウエアを最小限に抑えられる点が挙げられる。AWSが提供するIoTサービスや開発者向けサービス、Analyticsサービスなどと組み合わせることで、ユーザ分析やソースコード管理、リリース、テスト、デプロイメント、OTA、データ収集などもサポートできる。

    間違いなく今後のトレンドとなる、仮想環境下での組込みシステムのDevOpsやCI/CD(継続的なインテグレーション/継続的なデプロイメント)をワンストップで実現している点が、時宜にかなった提案として審査委員会から高く評価された。スクラッチからの開発に比べて迅速かつ効率的に組込みソリューションを提供できるところが評価のポイントだった。IoT機器や自動車、航空機、ロボットなどの開発への適用が期待されるとの意見もあった。

  • Award Logo

    Edge Technology 優秀賞

    Codasip

    CHERI (Capability Hardware Enhanced RISC Instructions)

    世界の脆弱性を半減できる画期的な英国発のソリューション

    2011年にMarc Andreessenが"Software Is Eating the World"をウォールストリートJに寄稿してから13年、今の世界はその通りの状態になっています。一方マルウェアに利用されそうな脆弱性(CVE)は、2022年は約2.5万件、2023年は約5万件、今年2024年は現時点で約4.3万件と、ほぼ倍のペースで増加を続けています。年初にはホワイトハウスから「非メモリ安全プログラミング言語」の使用に関して警鐘がでました。未来はRust等の「メモリ安全言語」を活用すれば、脆弱性は減少するでしょう。しかし世の中のかなりの電子機器、インフラは「非メモリ安全のC/C++」で構築されています。この資産をリファクタリングせず、解決するのがCHERIです。

    講評

    ソフトウエアの安全性を高めるために、マイクロプロセッサ(例えばRISC-V)の命令セットを拡張する技術。英ケンブリッジ大学で開発された技術を独Codasipが製品化したもの。ソフトウエア開発で広く使われているCやC++はメモリ保護が考慮されておらず、セキュリティ上の脆弱性の一因となっている。CHERIに対応したコンパイラとマイクロプロセッサを用いることで、既存のCやC++のプログラムを大幅に書き換えることなく、安全性を向上させることができる。

    組込みアプリケーションにかかわらず、ソフトウエアの脆弱性対策が喫緊の課題であることは言を俟たない。審査委員会は、CやC++で書かれたソフトウエアが抱えるバッファオーバーフローやメモリリークといった脆弱性に対し、既存のプログラムにほとんど手を加えることなく再コンパイルで対応できる実用性の高さと使い勝手の良さを高く評価した。採用件数が増えているRISC-Vの命令セットアーキテクチャに対応していることに注目する意見もあった。

  • Award Logo

    AI / 生成AI 優秀賞

    Secondmind

    Secondmind適合ソリューション

    AIがエンジニアの判断力を拡張、より良い性能を短期間で実現

    本製品は、Automotive Testing Expo 2024にて、Alternative Powertrain Test Innovation of the Yearを受賞。自動車業界では、開発を仮想化し、開発効率とコストを改善する動きが進んでおり、パワートレインの適合プロセスでも、仮想化を進めて効率化する新技術が期待される。Secondmindはその最前線に立ち、ICE(内燃機関)やモーターの適合プロセスにおいて、熟練エンジニアへの依存を無くし、適合期間短縮を実現するAIソリューションを提案。仮想モデルを使い試作数を減らすことで、開発をスピードアップ、環境的サステナビリティにも貢献。

    講評

    制御変数を入力とし、性能・制約条件を出力とした機械学習モデルを構築し、制約条件を満たしつつ性能が最適となる制御変数の値を予測するソリューション。例えば、ICE(内燃機関)やモーター開発における適合(キャリブレーション)プロセスにおいて、実験計画から実験計測、モデル作成、最適化、検証の工程を置き換えることが可能である。AIが予測した箇所だけを試作機で計測することで、制御範囲を網羅的に計測する従来手法と比較して実験回数・実験期間および試作機の数を減らせる。減少傾向にある熟練エンジニアへの依存軽減にもつながる。

    審査委員会は、ものづくり現場における開発・設計プロセスの今後の方向性を示したソリューションである点を高く評価した。現時点ではまだ浸透していないものの、今後の発展が期待できることが評価のポイントだった。事例として内燃機関とモーターの開発が挙げられているが、他の分野への展開を予想する意見もあった。

  • Award Logo

    オートモーティブ ソフトウエア 優秀賞

    NIRA Dynamics

    タイヤグリップインディケーター

    車載の路面μ推定ソフトウェア

    既存車両のCAN-Busに流れている情報を組み合わせて解析することで、現在装着しているタイヤと路面の間に発生している路面μを推定するソフトウェアです。最大の特徴は街乗り運転をしているような安全走行中の少ないアクセルレーション(入力エネルギー)でもその時のピークμを推定できる点です。自動車が実際に滑ってしまうその前に、路面が滑りやすくなりつつあることを検出し車両に知らせることができます。

    講評

    CANなどの車載ネットワークに流れるデータ(車輪の速度や各種センサー情報)に基づいて、装着しているタイヤと路面との間に発生している摩擦係数(路面μ)を推定するソフトウエア。通常走行時を含め、タイヤのグリップを常時監視しており、路面が滑りやすくなりつつある状況を検知可能である。クルマが滑ってから路面μを推定するトラクションコントロールシステムやABSなどに比べ、より早く路面状態を把握できる点に特徴がある。

    審査委員会は、センサーなどのハードウエアを追加することなく、ECUにソフトウエアを実装するだけで路面とタイヤ間の摩擦を把握できる本技術は、SDV時代に向けたタイムリーな提案である点を高く評価した。タイヤの状態(摩耗)の把握を求めるEuro 7などの規制にも対応可能な点も評価ポイントだった。本技術から得られる情報を活用し、滑りやすい路面マップを配信するサービス「ロードサーフェイスアラート」と併せて評価する意見もあった。

  • Award Logo

    オートモーティブ ソフトウエア 優秀賞

    パナソニック オートモーティブシステムズ

    生成AIを支えるコア技術(Transformer)の車載適用

    組込みTransformer高速化技術

    大規模言語モデル(LLM)によるAIエージェント等、生成AIを活用したアプリケーションが今後クルマにも導入されていくと予測されるが、生成AIの主要構成要素である「Transformerモデル」は大規模演算が必要であり、現状、車載ECUへの組込みに最適化されていない。車載ECU用SoC向けにTransformerモデルの高速化技術をPASにて開発。推論精度を確保しつつ、組込み環境で実用可能な動作速度への大幅な高速化を実現しました。

    講評

    生成AIにも使われている「Transformerモデル」を軽量・高速化することで、クルマのECUへのAI適用を可能にした技術。ECU向けSoCに組み込むことを想定しており、推論精度を確保しながら、クルマにおけるリアルタイム処理に使える推論速度を実現した。例えば悪天候時に、雨/雪/霧といったノイズを車載カメラの映像からリアルタイムで除去することが可能になる。エッジデバイスのECUで推論を実行するので、リアルタイム処理だけでなくプライバシーへの配慮も可能である。

    審査委員会は、自動運転における安全性の確保を、車載センサーの増設による冗長性向上といったハードウエア的な手法ではなく、AI技術を用いたカメラ映像からのノイズ除去というソフトウエア的な手法で達成している点が、SDV時代の要請に応えた提案であるとして高く評価した。車載バッテリーの消費電力を抑えるために、ソフトウエアとECUの軽量化に配慮した点も評価のポイントとなった。Transformerモデルの適用事例としてユニークな点を評価する意見もあった。

  • Award Logo

    JASA 特別賞

    コア

    Cohac∞ Ten++

    みちびきCLAS・MADOCA・信号認証対応GNSS受信機

    ・CLAS・MADOCA 測位機能により、国内および海洋やアジア・オセアニア地域でもセンチメータ精度の測位が受信機単体で可能
    ・特許取得の測位モード「RTK ⇔ CLAS」、「RTK ⇔ MADOCA」の自動切換機能により使用環境に最適な測位を自動で選択 ※1
    ・2アンテナ使用により、正確に方位の計測が可能
    ・みちびき信号認証サービスによるスプーフィング ※2 検出機能搭載

    ※1: RTK:Real-Time Kinematic 外部通信で入手した補正情報を使用してセンチメータ精度で位置を算出する測位方法。
    VRS:Virtual Reference Station 方式も含む。

    ※2: スプーフィング:衛星の配信するメッセージに対するなりすまし攻撃

    講評

    位置計測では、GPSは、自動車のナビゲーションに使われ普及しているが、誤差の多さから、いくつかの手法との併用が当たり前になっている。この"みちびき"を使ったCohac∞ Ten++は、MADOCA・CLASに対応して、海上でも使用可能で、独自に数センチの誤差で、位置が特定できるので、今後、スマート農業、スマート水産業、ドローン、測量、インフラ整備等はもちろん、災害時の対策にも活用できるものである。防水、防塵で過酷な環境下での利用が可能なため、特に、屋外のIoT機器にとって不可欠であり、さらに公開鍵認証システムを備えていることは、ハッキング対策として大変効果的と認められる点も評価ポイントとなった。

  • Award Logo

    JASA 特別賞

    CRI・ミドルウェア

    CRI SOLIDAS

    ソフトウェアで創る新時代の音響システム

    「CRI SOLIDAS」は物理的な回路も含めた音響システムをソフトウェアで構築する新時代のサウンドシステム開発ソリューションです。音響信号処理を汎用のマイコンやFPGAチップに集約させることで大幅に部品点数を減らすことができます。これにより製品の小型化と省電力化、量産コストや部品調達リスクの低減を実現します。

    講評

    ゲーム開発で蓄積した技術を、モノづくりに展開されている会社で、この、CRI SOLIDASは、ハードウェアの性能の限界を使って、音に関して研究開発成果として、新サウンドシステムを開発されたことは、IoT機器、組込み機器開発に於いて、大変有意義である。その効果として、小型化、省エネ、コスト低減はもちろん、マルチメディアで重要な音に関してのソリューションを広げることができた点を評価した。音は、アナログの世界で、ハードウェアのエンジニアの人材不足対応が叫ばれる中、ハードウェアも含めたシステムをソフトウェアで作成できるツールは、マーケットに沿った製品となっている点も評価ポイントとなった。

スペシャルピッチ

受賞企業によるスペシャルピッチを実施します。リアル会場でしか得られない情報もありますので、ぜひこの機会に業界をけん引していく期待も高い次世代の技術・ソリューションとビジネスの潮流を体感ください。

審査員一覧 (敬称略、順不同)

  • 審査委員長

    山田 敏行

    ETカンファレンス委員会 委員長

  • 副審査委員長

    横田 英史

    ETラボ 代表 コンサルタント 技術ジャーナリスト

  • 審査員

    小澤 拓治

    CQ 出版社 代表取締役

  • 審査員

    中山 俊一

    テクニカル・ライター / EJoint 代表

  • 審査員

    平本 健二

    独立行政法人情報処理推進機構 デジタル基盤センター長

  • 審査員

    志度 昌宏

    株式会社インプレス DIGITAL X(デジタルクロス)編集長

  • 審査員

    板羽 晃司

    株式会社アイスマイリー 代表取締役

  • 審査員

    三浦 和也

    株式会社イード レスポンス編集部 編集長

  • 審査員

    今井 拓司

    技術ジャーナリスト

  • 審査員

    渡辺 博之

    一般社団法人組込みシステム技術協会 ET事業本部長

  • 審査員

    武部 桂史

    一般社団法人組込みシステム技術協会 専務理事