Open EL 概要

概要

OpenEL (Open Embedded Library)とは、ロボットや制御システムなどのソフトウェアの実装仕様を標準化する組込みシステム向けのオープンなプラットフォームです。

具体的には、センサ入力やモーターへの出力等、機器制御のためのAPI(Application Programming Interface)をミドルウェアよりも低いレイヤで標準化し、デバイスドライバ等のソフトウェアの移植性、再利用性、生産性を向上するための仕組みです。

組込みシステム開発における課題と現状

現在、組込みシステムの開発において既存のソフトウェアを異なるシステムに移植するには
かなりのコストがかかります。異なるハードウェアで単純な動作を実現するだけでも、何日も費やすことがあり得ます。これは、センサの入出力やモーターの制御などを行うプログラムがメーカーごとに独自に定義・実装されていることが要因です。

ハードウェアを直接制御するレイヤーにおいてプラットフォームが確立していないため
デバイスごとにソフトウェアを設計・実装する必要があり、ソフトウェア開発における
生産性や保守性に悪影響を与えています。

目的

OpenELでは、ロボットや制御システムなどのソフトウェアのベースとなる部分をプラットフォーム化することにより、異なるハードウェアでもすぐにアプリケーションを動作可能とすることを目的としています。これにより、ソフトウェアの移植性や再利用性が高まり、その結果、品質向上、コスト削減、生産性向上につながるなど、開発者および利用者の利便性が向上することを期待しています。

OpenELは主にロボットや制御システムを対象とし、モーター制御やセンサー等のデバイスの入出力に特化したプログラムを定義しています。OpenELというプラットフォームを設けることによって、初心者では難しかったモーター制御が、OpenELを利用することにより誰でも簡単に出来るようになり、ソフトウェアの開発後にハードウェアが変わっても、ソフトウェアの変更が不要になります。