10:00-10:20 頼れるIT社会の実現を目指して
富田 達夫独立行政法人情報処理推進機構(IPA) 理事長
プロフィール
富士通株式会社 代表取締役副社長
株式会社富士通研究所 代表取締役社長、会長を経て
2016年1月より現職
2015年6月より情報処理学会会長
博士(情報学)
10:20-10:40 IoT時代に向けたシステム思考のアプローチ IoTシステムのデザインに求められるものとは
様々なモノがつながるIoT時代においては、システムはダイナミックに連携し、より不確定で複雑なものとなり、そのデザインはより困難なものとなる。こうしたシステムを安全にかつ効率的にデザインする方法としてシステムズエンジニアリング等のシステム思考のアプローチが最近注目されている。本講演では、IoTシステムのデザインにおけるシステム思考の考え方の重要性と実践に向けたIPAでの取り組みについて紹介する。
松本 隆明独立行政法人情報処理推進機構(IPA) ソフトウェア高信頼化センター 所長
プロフィール 1978年 東京工業大学大学院修士課程 修了。同年日本電信電話公社(現NTT)に入社、オペレーティング・システムの研究開発、大規模公共システムへの導入SE、キャリア共通調達仕様の開発・標準化、情報セキュリティ技術の研究開発に従事。2002年に株式会社NTT データに移り、2003年より技術開発本部 本部長。2007年 NTTデータ先端技術株式会社常務取締役。2012年7月より独立行政法人情報処理推進機構(IPA)技術本部ソフトウェア高信頼化センター(SEC)所長。博士(工学)。
10:40-11:20 IoT機器や関連システムに求められる安心安全のための機能と機能要件 「『つながる世界の開発指針』の実践に向けた手引き」の紹介
IoTへの対応は機器やシステムをネットワークにつなぐ機能を付加するだけでは十分ではない。利用者の安全安心を確保するために、つながることにより生じる新たな脅威やリスクを考慮する必要がある。IPAによる産官学連携ワーキンググループにおいて、具体的なユースケースをもとに開発者が考慮すべきことを機能レベルで議論し「『つながる世界の開発指針』の実践に向けた手引き」としてまとめた。本セッションでは、この内容を紹介する。
森崎 修司独立行政法人情報処理推進機構(IPA) IoT高信頼化検討ワーキング・グループ/名古屋大学 大学院情報学研究科 大学院 情報学研究科 ワーキング・グループ主査/准教授
プロフィール 2001年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了後、ソフトウェア技術者として、情報通信企業に勤務する。通信サービス、無線ICタグシステムの国際標準化に携わる。2013年より現職。ソフトウェア開発の効率化やソフトウェアの高品質化の理論と技法の効果や限界を実際のソフトウェア開発に適用して確かめる実証的ソフトウェア工学を研究の柱とする。
11:20-12:00 複雑システムの安全設計へのチャレンジ システム理論に基づく新しい安全解析法STAMP/STPAの実践
自動車や介護ロボットなど高度なソフトウェアで制御される組込みシステムが日常生活で使われる時代になり、その安全確保のための方法論に産業界の興味が集まっている。既存の安全規格は、このような複雑で、かつ、人間-機械も含めた多様な相互作用を持ったシステムに対応できておらず、新しい安全設計の方法論が模索されている。米国MITのNancy Leveson教授によるSTAMP/STPAはその方法論の一つとして注目されている。講演では技術的な要因だけでなく、組織や人を含めた非技術的要因も考慮した包括的な事故防止アプローチとしての有効性を検証したケーススタディを紹介する。
兼本 茂会津大学/名誉教授 IPA/SEC IoTシステム安全性向上技術WG/主査授
プロフィール 工学博士。会津大学名誉教授。日本原子力事業株式会社を経て株式会社東芝電力・産業システム技術開発センターで原子炉の保全技術、診断技術の研究に従事。会津大学コンピュータ理工学部にて、コンピュータ技術の産業応用に関する研究を行う中で、組込みシステムの機能安全や次世代安全設計法に関する研究・教育を行ってきた。IPA/SECのIoTシステム安全性向上技術WG主査。