ET/IoT Technology アワード
Embedded Technology優秀賞
NEC (D-40)
工業製品、部品をタグ・シリアル加工なしに個体識別する「物体指紋認証技術」
大量生産品を表面に自然発生する微細な紋様(物体指紋)で個々に識別
寸評:製造時につく製品表面の微細な凹凸(物体指紋)に着目し、物体の個別識別に活用したアイデアのユニークさを高く評価した。製品の流通管理(トレーサビリティ強化)、部品・部材の保守点検・生産管理、模造品対策など、応用範囲が広いところも評価のポイントになった。審査委員会では、入力装置にスマホ搭載のカメラが利用できることやクラウドを使うシステム環境が今後の市場トレンドにマッチしており、「伸び代大きい」「潜在的なパワーを感じる」といった意見が出た。
三菱電機エンジニアリング株式会社(E-10)
出力1kW 効率95%の6.78MHz高周波電源技術
世界トップレベルの「高効率・小型化」を可能とする高周波電源技術
寸評:家電製品からEV(電気自動車)といった幅広い分野でのワイヤレス給電に向けた電源技術であり、今後の市場トレンドにマッチするとともに市場へのインパクトが大きいことが評価のポイントとなった。1kWの大出力と6.78MHzの高周波を両立すると同時に、出力100W~1kWにおける効率が95%と高いことにも注目した。
IoT Technology優秀賞
NEC通信システム(D-40)
オンデマンド型無線ネットワーク
消費電力1/100以下で常時待受可能なオンデマンド型無線ネットワーク
寸評:電池動作のデバイスとIoTシステムは切っても切れない間柄である。IoTシステムが本格的な普及期に向かおうとしている現在、システムの低消費電力化は喫緊の課題となっている。こうした状況のなか、通信方式の面からシステムの省電力化を図る試みは今後のトレンドにマッチしており、この点を高く評価した。審査委員会では、「稼働していないノードはスリープ状態にあるので、ノードの存在が察知されづらい。セキュリティ面のメリットもあるのでは」との意見が出た。
ラピスセミコンダクタ株式会社(B-16)
土壌環境センサ
世界初!IoT土壌環境センサで地中のデジタル化を実現
寸評:豪雨による土砂崩れや堤防決壊が日本列島に大きな被害をもたらしたことは記憶に新しい。土壌の状態をリアルタイムに常時把握できれば、被害を抑えられたかもしれないと思った技術者は少なくないだろう。異常気象が常態化しつつある現在、土壌環境センサは今後の市場ニーズにマッチするとともに社会的要請にも応えている。電極形状の工夫によって土壌との接触性や耐久性にも配慮がされており、伝播特性のよい920MHz帯無線の利用と併せて、審査委員会では「実用化に対して優れた提案になっている」との意見が出た。
特別賞
インテル株式会社(A-06)
IoTベンチャーズ
初期投資ゼロ、屋内施設向けIoTソリューション・パッケージ
寸評:普及期を迎えようとしているIoTが、組込み業界に新たなビジネスチャンスをもたらすのは間違いない。しかし、どのように関わっていけばいいのか戸惑っている中堅中小企業が少なくないのではないか。企業がそれぞれ得意とする製品やサービスを持ち寄り、屋内施設向けIoTソリューションを提供する「IoTベンチャーズ」は、中堅中小企業に活躍の場を提供する取り組みであり、主催協会としてこの点を高く評価した。
国立大学法人筑波大学(UI-11)
高性能ストリームデータ圧縮技術
ストリームを高速にコンパクトに。未来のロスレス圧縮のカタチ
寸評:データストリームをリアルタイムにロスレスで圧縮する技術は、従来技術との違いが明確であり新規性が高い。またセンサや画像、音声などの大容量データを処理するニーズが高まる今後の市場トレンドにもマッチしている。活用範囲が広がる可能性を秘めた技術であり、産学連携による実用化を期待したい。
ET/IoT Technology アワード 表彰式
11月19日(木)16:30~ 展示会場内メインステージ
組込みシステム開発の新潮流となるソリューションを表彰
ET/IoT Technologyアワードは、出展企業を対象に、製品・技術・ソリューション・活動に対し優秀賞を選出、表彰するイベントです。
組込み業界の発展と国内産業の競争力向上に寄与する、優れた組込み技術や製品、ソリューション、サービスに対し表彰するもので、ET2015では出展社より応募された40件から、ETアワード審査会の厳選なる審査により選定しました。
今回はETに加え、IoT Technology出展社も対象とし、進化する組込み技術と“つながる”技術から選定・表彰いたします。
(写真は、2014年度 ETアワード表彰式)