ET/IoT Technology 2017出展社から応募のあった49の技術、サービス、ソリューションから、次の5社が受賞いたしました。
NEC C-25
「レーザガスセンサ」
様々なガスの広域に渡る検知、火災の早期検知と誤報低減も実現
寸評 一つのシステムで大気中のガスの種類や濃度、環境温度など複数項目の測定が可能な技術で、既存システムに比べ応答速度が速いという特徴をもつ。審査委員会は、広い空間を対象にしたガス検知器や火災センサーへの応用が考えられるなど、利用シーンが明確で実用性が高い点を評価した。バッテリーの異常発熱が社会問題化しているなか、提案のタイムリーさを評価する意見も出た。
ディープインサイト株式会社 D-53
「エンベデッド ディープラーニングフレームワーク『KAIBER』」
組込み特化のディープラーニングフレームワーク
寸評 深層学習(ディープラーニング)を組込み機器で活用するための開発フレームワーク。ディープラーニングの学習環境と、学習環境で作成したニューラルネットワークをターゲットシステムに実装する実行環境から成る。マイコンや GPU、FPGAなど多様なデバイスに対応する。審査委員会は、 AI 活用で サーバー環境に比べて遅れた状況にある組込み用途に的を絞った提案で時宜にかなっている点を高く評価した。
富士通セミコンダクター、PHYCHIPS、エスケーエレクトロニクス A-38
「バッテリーレス無線ソリューション」
組込み機器の新しいカタチ 〜バッテリーレス&RFIDイノベーション〜
寸評 UHF帯の無線給電機能とRFIDを組み合わせ、電池レスを実現する無線エナジーハーベスティング・ソリューション。審査委員会は、広く普及しているRFIDをデータの送受信だけではなく電力供給に活用する新規性を高く評価した。メカニカルな要素を持つエナジーハーベスティングの提案が多いなかで、電磁的・電気的な仕組みを利用したところが目新しいとの意見も出た。
株式会社フジクラ C-14
「920MHz帯マルチホップ無線エネルギーハーベスト型環境センサシステム」
低照度でも高効率な光発電とマルチホップ無線で広範囲センシング
寸評 パネルへの入射角が垂直ではない散乱光や低照度でも効率良く発電できる色素増感太陽電池と920MHz帯マルチホップ無線通信に、温湿度や照度、気圧、人感などのセンサーを組み合わせたソリューション。審査委員会は、色素増感太陽電池によるエナジーハーベスティング、マルチホップ無線通信によるカバーエリア拡大など、センサーシステムの屋外における利用シーンをよく考えた提案である点を高く評価した。
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 C-14
「ポータブル空冷式熱電発電装置」
熱が生み出す安心と安全。排熱でIoTとCO2削減が同時実現。
寸評 排熱や焚き火といった多様な熱源を利用して発電する熱電発電装置。高温耐久性に優れた独自開発の酸化物材料を主成分とした熱電モジュールを使っており空冷が可能。審査委員会は、水冷用配管が不要で設置場所を選ばないためIoT用途に向いていることや、焚き火でも発電できるBCP的なメリット、材料をきっちりと押さえている点などを高く評価した。
今回の受賞者を表彰する「ET.IoT Technology Award 授賞式」16日(木)に実施いたします。 ご来場の際は、ぜひ会場内メインステージまでお立ち寄りください。
日本の産業に大きな変化の時期がやって来ています。求められるのはイノベーションです。今こそ新たな技術や製品、ソリューションで、日本経済と企業の成長を確かなものにしなければなりません。そしてイノベーションを生み出す産業として、組込み業界にかかる期待は小さくありません。
こうした状況のもと、ET2017/IoT Technology2017を主催する組込みシステム技術協会は、組込み業界の発展と国内産業の競争力向上に寄与する、優れた組込み技術や製品、ソリューション、サービス、IoT技術を発掘し、その成果と功績を国内外に広く顕彰する「ET/IoT Technologyアワード」を設けました。
これからの産業の成長を必ずや支えてくれるであろうソリューション最先端を、ぜひその目でいち早くお確かめください。
審査委員長 | 山田 敏行 | 組込みシステム技術協会/ET実行委員会 委員長 |
副審査員長 | 横田 英史 | 日経BPコンサルティング 取締役 |
審査員 | 立本 博文 | 筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 教授 |
審査員 | 松島 克守 | 一般社団法人俯瞰工学研究所 代表理事 |
審査員 | 小澤 拓治 | CQ出版社 取締役 |
審査員 | 中山 俊一 | テクニカル・ライター / EJoint 代表 |
審査員 | 西坂 真人 | アイティメディア株式会社 メディア事業本部 テクノロジー局 編集統括部長 |
審査員 | 大橋 太郎 | 電波新聞社 |
審査員 | 白坂 成功 | 組込みIoTハッカソンWG 実行委員長 |
審査員 | 星 光行 | ETロボコン本部実行委員長 |
審査員 | 松本 隆明 | 独立行政法人情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター 所長 |
前回のET/IoT Technology 2016 アワードには、出展社による42件の応募から、優秀賞4社、特別賞1社(校)が選出されました。
アーム株式会社
「ARM、自律走行車を実現する最先端の機能安全プロセッサ Cortex-R52」
機能安全の最高基準を満たすARMR CortexR-R52/次世代の自律走行システムに必要な安定したリアルタイム性能を提供/車載、産業、医療アプリケーションの安全認証手続きを簡素化
【寸評】ARMv8-RをCPUコアに、ISO26262 ASIL Dおよび IEC61508 SIL3の安全規格をサポートする機能を組み込んだプロッサ。審査委員会は、機能安全を必要とする車載用途や産業機器用途で大きな可能性を秘めている点や、多くの半導体メーカーが機能安全市場に向けた製品ラインアップを拡充するチャンスを得ることができ産業的なインパクトが大きい点を高く評価し、Embedded Technology 優秀賞とした。
NEC
「ARmKeypad(アームキーパッド)」
腕を仮想キーボード化するスマートグラス用ユーザーインターフェース
【寸評】スマートグラスを装着した利用者の腕に仮想キーボードをAR表示し入力を可能にしたユーザーインターフェース。審査委員会では、「ありそうでなかった」発想と着眼点のユニークさを評価する意見が多く出た。 利用者の身体に表示することによって操作に触感(押す感覚)をもたせることを可能にした点、作業内容や作業目的によってキーレイアウトを柔軟に変更可能な点への評価も高く、Embedded Technology 優秀賞とした。
株式会社ソルティスター
「SaltySter 5.0」
IOT + エッジコンピューティングを強力にサポート!
【寸評】 非定型な“もの”からのデータを考慮したデータベース管理システム、送信データ量を低減する一次分析ソフト、クラウドシステムとの連携ソフトから成るエッジコンピューティング向けミドルウエア。審査委員会は、エッジコンピューティングの利用シーンをよく理解したソリューションである点、リアルタイム性を担保しており産業分野の IOT 用途での応用を期待できる点を評価し、IoT Technology 優秀賞とした。
日本サイプレス株式会社
「CYALKIT-E02 Solar-Powered BLE Sensor Beacon Reference Design Kit」
電池交換、電気配線不要!10円玉サイズの超小型電池レス無線センサー
【寸評】 メンテナンスフリーで稼働させることができる BLE(Bluetooth low energy)インタフェースを備えた温度・湿度センサー。エナジーハーベスティングのトレンドを考慮した、電池レス・センサーのソリューションを提案しているのが最大の評価ポイントである。今回は温度・湿度センサーの提案だが、今後、多様な組み合わせを考えることができ応用範囲が広いことも加味し、IoT Technology 優秀賞とした。
筑波大学 山際研究室
「スキルグルーピング」
人のスキルを引き出す人工知能が寄り添う新しい IoTのカタチ
【寸評】 機械学習を使って人の動きを定量化し、運動下手な人がうまい人に近づくコツを可視化する技術。審査委員会は、これまで勘と経験に頼っていたところを、定量的・科学的に分析可能にした新規性・アイデアを高く評価した。いくつかの実証実験によって効果を裏付けている点や、日常の動きで認知症や成人病の原因検知や予測といった今後重要性を増す分野での応用が考えられる点も加味し、特別賞とした。
審査委員長 | 山田 敏行 | 組込みシステム技術協会/ET実行委員会 委員長 |
副審査員長 | 横田 英史 | 日経BPコンサルティング 取締役 |
審査員 | 立本 博文 | 筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 教授 |
審査員 | 松島 克守 | 一般社団法人俯瞰工学研究所 代表理事 |
審査員 | 小澤 拓治 | CQ出版社 取締役 |
審査員 | 中山 俊一 | テクニカル・ライター / EJoint 代表 |
審査員 | 西坂 真人 | アイティメディア株式会社 産業テクノロジー事業部 副事業部長 |
審査員 | 畑 公徳 | 電波新聞社 マルチメディア推進室 室長 |
審査員 | 白坂 成功 | 組込みIoTハッカソンWG 実行委員長 |
審査員 | 星 光行 | ETロボコン本部実行委員長 |
審査員 | 松本 隆明 | 独立行政法人情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター 所長 |