併催イベントとして実施する「ETロボコン チャンピオンシップ」からのワークショップ。モデリングに関心のある方なら、どなたでも参加できます。
審査総評
9:35〜10:15 2018年モデル審査の狙いとモデル振り返り
2018年のETロボコンではいくつかの新しい試みが導入された。競技では新競技「AIアンサー」と「ブロック並べ」へのカメラの導入である。モデル審査においては「アブストラクト」とプライマリーにおける「工夫点」を審査に加えた。本ワークショップではそうした新しい試みの狙いについて説明する。また、提出されたモデルを題材に、良いモデルを作るためのポイントや今後の課題について考察する。
土樋 祐希
本部 審査委員長
富士ゼロックス株式会社 ソフトウェア開発本部コントローラプラットフォーム第ニ開発部 グループ長
プロフィール
1997年入社。複合機のソフトウェア開発に従事。モデル駆動開発(MDD)ツールを開発に適用し、商品を市場導入した。現在は複合機コントローラソフトウェアのアーキテクトとして活動中。2010年より社内でロボコン活動を立ち上げ、推進。CS大会にてエクセレントモデルを獲得するなどの成果を上げた。2015年から本部審査委員となり、2016年から競技規約策定(主にブロック並べ)にも携わる。2018年本部審査委員長を拝命。
10:15〜10:40 スポンサー紹介1
スポンサー様によるプレゼンテーション
10:50〜11:10 性能審査総評
モデル性能審査では、モデルで語られているソフトウェア設計の内容が、実際の競技でどの程度実現出来そうか?という観点で、制御モデルを中心に審査を行っている。本ワークショップでは、今年のモデリングと競技の傾向を分析し、実現性が説明されているモデルを紹介する。皆さんの設計内容が競技でいかに発揮されるか、を説得力をもって主張するためどのようなポイントを押さえるべきかを考えてみたい。
京増 司
本部 性能審査団
プロフィール
2008年から2011年の4年間ETロボコンに参加チームとしてエントリー、そのうち2009年から2011年大会はチャンピオンシップ大会にも挑戦してきた。2014年より東京地区実行委員会において主にモデル性能審査を担当。2016年より本部性能審査団も兼務。
11:10〜11:35 これからのエンジニアに期待されることは?
ITのもたらすイノベーションにより、産業界の新陳代謝はどんどん激しさを増しています。VUCAワールドと呼ばれるこのカオス化した時代において、ソフトウェアエンジニアの役割はどう変わっていくのでしょうか?これまでのように高品質なソフトウェア開発だけを目指していれば大丈夫なのでしょうか?
ここでは、ETロボコンからちょっと視界を拡げて、これらの新しい課題について考えてみたいと思います。
渡辺 博之
本部 共同企画委員長
株式会社エクスモーション 代表取締役社長
一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事
プロフィール
メーカーでのエンジニアを経て、組込み分野におけるオブジェクト指向技術のコンサルタントとして現場支援や人材育成に携わるとともに、学会・コミュニティ活動にも多数参加。
2008年9月、組込みソフトウェアの品質改善に特化した事業を推進すべく(株)エクスモーションを設立し現在に至る。
組込みシステム技術協会(JASA)理事、組込みIoTモデリングWG主査、ETロボコン本部共同企画委員長、派生開発推進協議会代表。
11:35〜12:00 スポンサー紹介 2
スポンサー様によるプレゼンテーション
12:15〜13:15 ETロボコン「AI・カメラ」元年における各チームの取り組み
アドバンストクラスでは本年よりゲーム攻略にカメラ画像ストリームの利用及び機械学習をはじめとするいわゆるAIの利用が示唆された。一方で組込みシステムではこれらの新しい技術を利用するに際し、既存技術との様々なトレードオフも検討されるべきである。本セッションでは、各チームがどのように使用要素技術を見極め利用の是非を判断したか、新しい取り組みを行ったチームによるキー技術の解説とディスカッションを交え概観する。
棚橋 二朗
本部 技術委員
北海道情報大学 経営情報学部 システム情報学科 准教授
プロフィール
青春をZ80アセンブラに費やし、日本通運よりキヤノン販売へ出向中に組込みシステムへ開眼、2001年より現職。大学では情報倫理に始まりブレッドボードからサーバを経由してWebフロントエンドまで教鞭を振るうフルスタック先生。近年はブロック教材を用いた子供ロボット教室から転じ、小学校プログラミング教育必修化に伴う教員向け研修や講演に奔走する。2009年よりETロボコン北海道・東北地区実行委員、2014年より本部技術委員。
ミニワークショップ
1回目 13:30〜14:00、2回目 15:00〜15:30 ETロボコンのモデル図で期待すること 分かるモデル図とは
デベロッパー部門プライマリークラス、アドバンストクラスではモデル図を使って分析・設計を行い、各クラスの審査方針、審査課題、評価基準、審査内容に沿ってモデル図を提出します。SysML:要求図、UML:機能/構造/振る舞いのモデルが利活用されています。これらのモデル図は読めるもの、分かるもの、伝えるものになっていたでしょうか。チームのモデル図を読みながら確認していきましょう。
林 啓弘
南関東地区 審査委員長
アンリツエンジニアリング株式会社 経営推進部 人材開発チーム エキスパートエンジニア
プロフィール
アンリツエンジニアリング株式会社の技術部門、教育部門、品質保証部門、経営管理部、業務革新推進部を経て、現在、経営推進部に所属。技術部門在籍中は伝送交換、情報端末の開発に従事し、1996年頃から業務にオブジェクト指向開発に取り組み、社内教育に展開。その後、社内情報セキュリティ管理に従事し、2010年から社内技術教育にも併せて携わり、現在に至る。
1回目 13:30〜14:00、2回目 14:15〜14:45 ミニワークショップ アブストラクトページの役割 ― なぜ変わったのか、なにが求められているのか ―
今年から、コンセプトシートが廃され、モデル図と一体化したアブストラクトページに変わりました。なぜ変更になり、どのようなことを記載することが求められるようになったのでしょうか。このワークショップでは、アブストラクトページの役割や効果、モデル図との関係について参加者のみなさんと議論したいと思っています。ぜひご参加ください。
久保秋 真
本部 審査委員
株式会社チェンジビジョン シニア・コンサルタント
プロフィール
北陸先端科学技術大学院大学博士前期課程修了。
日本大学生産工学部非常勤講師。早稲田大学理工学術院基幹理工学研究科非常勤講師。トップエスイー講師。
組込みソフトウェア分野におけるオブジェクト指向技術、モデル駆動開発に興味を持つ。
モデリングツールastah*の販拡、コンサルティングの他、オブジェクト指向開発、組込みソフトウェア開発、アジャイル開発、モデル駆動開発などの、コンサルティング、技術教育にも従事。
13:30〜14:00 失敗を楽しみながら 組込んでこそガレッジニア どれだけ失敗したかがあなたの財産になる
日本は決められたことをキチンとやるのは得意だが、新技術を取り入れた装置を猛スピードで組み上げる人材が足りない。このままでは技術後進国になる。CES2018視察は強烈なインパクトであった。
自分で課題を決め、モデルのアーキテクチャを考え、新技術をどうやって組み込むか。今回、ETロボコン実行委員会もテニスボールを拾い集めるロボットでガレッジニアに挑戦した。数々の失敗を乗り越え、どのように考えながら開発したのかを紹介する。
江口 亨
本部 技術委員長
株式会社 富士通コンピュータテクノロジーズ オートモーティブテクノロジ事業部 先行基盤開発部 プロジェクト部長
プロフィール
1988年より株式会社 富士通コンピュータテクノロジーズにて、画像処理WS・パソコン向けCD-R・新聞システム・車載電子プラットフォームAUTOSARなどを手がけ、現在はモデル駆動開発ツール開発やDLプラットフォーム開発・アーキテクチャ設計・教育に従事。最近では、慶應義塾大学大学院SDM(ソフトウェア工学)・東海大学の非常勤講師などを務め、ETロボコンを通した組込みシステム教育や、水中ロボコン参加など多方面で活動中。
1回目 14:15〜14:45、2回目 15:00〜15:30 要件の網羅性・妥当性を検討するために重要なこと 非機能要件を抽出するための方法を考えましょう
要求分析でどんな機能を作るかを考えて要件を抽出しますが、要求図などで抽出された要件に見えない要件が内在することに気が付いているでしょうか?抽出した要件が妥当かどうか、十分かどうかをどのように判断していますか?機能要件以外の要件の可視化が開発現場でどのように重要なのかを示し、このような要件を抽出するための工夫の事例などを紹介します。
酒井 英子
東海地区 教育委員長/審査員
株式会社デンソー モビリティシステム事業グループ モビリティシステムPF開発部 プロセス開発室 開発1課 担当係長
プロフィール
株式会社デンソー入社後、ブレーキ制御システムのソフトウェア開発に従事。2001年から株式会社アドヴィックスに出向し、2005年よりモデルベース開発を導入したソフトウェアの開発改善の取組みを開始。2012年に株式会社デンソー帰任後は、カーナビのソフトウェア開発で開発改善に取組み、2017年からは事業グループ内の開発部署に対し開発改善の支援に取り組んでいる。
14:15〜14:45 制御モデル2018年のトレンドと気を付けたい事
ETロボコン2018では、カメラシステムとAIアンサーという二つの新しい題材が導入されたこともあり、バリエーションに富んだ制御モデルが作成されてきた。本ワークショップでは、ETロボコンの技術トレンドや制御モデルを作成する際の注意点など、「性能審査総評」では語り切れなかった内容を、制御モデルの事例に取り上げながら解説する。
京増 司
本部 性能審査団
プロフィール
2008年から2011年の4年間ETロボコンに参加チームとしてエントリー、そのうち2009年から2011年大会はチャンピオンシップ大会にも挑戦してきた。2014年より東京地区実行委員会において主にモデル性能審査を担当。2016年より本部性能審査団も兼務。
15:00〜15:30 制御戦略と要素技術で示す機能実現の妥当性
アドバンストクラスの制御モデルは要求モデルや分析モデルで導き出した機能をどのよな制御戦略でどのような要素技術を使って実現するのかを記述します。それは単に手順や方法を記述するだけではなく、これなら機能を実現できるということを伝えられるモデルになっていることが重要です。果たして各チームのモデル図は機能を実現できるということを上手く伝えられるモデルになっていたでしょうか。実際にモデル図を読みながら確認していきます。
堂下 貴弘
北海道地区 技術副委員長
リコーITソリューションズ株式会社 エンベデッドソリューション事業部 東日本開発センター ES第1開発部 第2グループ
プロフィール
リコーITソリューションズに入社後、複合機やIoT製品の組み込みソフトウェア開発に従事。
ETロボコンでは、2011年に初参加、以後2013年〜2016年まで参加してきた。2016年にはアドバンストクラスでCS大会総合優勝を飾る。2017年より北海道地区実行委員として活動。
モデル&企画書相談所 + クロージングパネル
12:15〜15:45
審査員が交代で相談所を開設。参加者は持参したモデル図をもとに審査員と個別に対話形式で議論し、デベロッパー部門のモデリング、分析・設計、開発技術などの書き方等について、アドバイスを受けることができる。 チャンピオンシップ大会への出場者でなくとも相談を受けられるので、モデリングの初心者や具体的なケースで議論したい場合には効果的である。
【重要】 相談所へ参加の方へお願い
・相談所へお越しの際には、モデル図(紙)または企画書(紙)は各自で準備してください。
・今年も、詳細なフィードバックができるように、各チーム毎に担当審査委員を割り当てることにしました。詳細なフィードバックをご希望のチームは、ぜひ担当審査委員に相談してください。もちろん、例年のように他の審査委員に相談することも可能です。
※チャンピオンシップ大会の出場者でないチームも参加可能です。尚、事前登録は不要です。
※モデリング相談所は12:15〜15:45(ミニワークショップと平行)を予定しています。
参加者は、この間に適宜昼食をお取りください。クロージングパネルは、15:45から開始します。
クロージングパネル終了後に、ETフェスタが開催される展示会場へと移動します。