派生開発問題解決セミナー2019
〜派生開発プロセスの基本と発展 守りから攻めの派生開発へ〜
14:00〜14:15 AFFORDDの活動とXDDPの成り立ち
派生開発推進協議会(AFFORDD)では、派生開発の問題を中心に要求仕様の改善や様々な分野におけるプロセス改善に取り組んでいる。本会の研究会の紹介と、活動の中心となるXDDPの成り立ちについて紹介する。
14:15〜14:35 PFD、USDM、XDDPの基本
「PFD」は目的達成に向けた段取りを考える方法、「USDM」は要求仕様の漏れ・思い誤りを防ぐ方法、「XDDP」は派生開発をスムーズに進めるアプローチである。これらはソフトウェア開発を成功させるためのキーとなる技術群であり、人やシステムの振る舞いを「入力情報→プロセス→出力情報」の連なりとしてイメージすることが要点である。このキーとなる3つの技術の基本と考え方について説明する。
南部 妙水
アンリツエンジニアリング株式会社 共通基盤開発部 システムエンジニア
プロフィール
組込ソフトウェアの派生開発で出会った課題解決のため参加した2009年のSQiP研究会でAFFORDD前代表の清水吉男氏と出会う。2012年および2014年に、AFFORDDが開催する派生開発カンファレンスで、自身のプロジェクトでXDDPを導入した経験を発表。以後もAFFORDD会員として派生開発の課題解決に取り組み続けている。今年の派生開発カンファレンスではプログラム委員長を務めた。
14:35〜15:00 XDDP導入によるソフトウェアプロセスの改善
従来はソフトウェア障害が発生するたびに様々な再発防止策を講じ開発工数は肥大化していくものの、障害件数、手戻り工数は横ばいであった。
2015年にXDDPを導入することにより、大幅な障害件数及び手戻り工数が減少するなど品質向上に大きな成果を上げた。
現在では、この成果により手に入れた時間を利用してさらなる品質向上への取組みを行っている。
笹田 朋邦
三菱電機コントロールソフトウェア株式会社 技術部 課長
プロフィール
1993年当社に入社。
2014年からSEPGに兼務として参画し、ソフトウェアプロセス改善に携わっている。
15:05〜15:30 スペックアウトによる設計仕様の理解
ソースコードから直接わかることは「仕様」であり「要求」や「理由」は直接わからない為、設計の意図が見える「設計書」を作り出すスペックアウトの技術が必要になる。このスペックアウト、派生開発では設計への重要なインプットであり、リファクタリングの前処理としても有用であるということを事例を交えて紹介する。
井貝 智行
アンリツエンジニアリング株式会社 第1事業部
プロフィール
2003年、アンリツエンジニアリング株式会社に入社。主に計測器の組み込みソフトウェア開発に従事。2013年ごろXDDPに出会い、プロジェクトに導入。以降、XDDPの社内展開にも従事。AFFORDDではスペックアウト研究会に所属。
15:30〜15:55 アーキテクチャ再構築法(簡易分析法)
適切なアーキテクチャ(基本構造)は、変更・機能追加の影響範囲を限定し、派生開発における生産性・品質を向上させる。ところが、アーキテクチャの改造を要する組織ほど、そのために必要な分析手法を習得する余裕がない、という矛盾に陥りがちである。そこで応急処置として、短期間に習得できる方法のみで、既知のシステムをもとに、データと処理をセットにした比較的強固なアーキテクチャを再構築する「簡易分析法」を紹介する。
池田 祐一
派生開発推進協議会
プロフィール
2008年よりFA分野のシステム開発に携わる。複数のプロジェクトをアウトソースしながら同時並行することになり、スクラム開発を試したところ、仕様漏れや思い誤り、設計の破綻に対処できず、不具合・仕様変更が多発。打開策を探すなか「XDDP」に有効性を感じ、2013年に派生開発推進協議会に入会して、セミナーや資料、アドバイスを頼りに2年がかりで習得。その後スムーズに開発を進め、ワークライフバランスを大幅に改善してきた。