2値化ディープラーニングの学習からFPGA実現まで
〜学習と推論を最適化する技術の紹介とGUIベース開発環境GUINNESSのデモ〜
近年、組込みデバイスにもディープラーニングを取り込む動きが活発になってきており、特にFPGAはその書き換え可能性を活かすことで、アルゴリズムの進化に対応しつつ、低消費電力かつ高性能なディープラーニングを実現できるデバイスとして注目を集めている。しかし、アルゴリズム・GPU・数学的な背景を駆使して学習を行い、かつ、組込み機器を熟知してソフト・ハードを連携した推論を実装する技術が必要であり、実用的なレベルでディープラーニングを実現するにはハードルが高かった。講演者らの研究グループでは2値化ディープラーニングの学習・推論を同時に開発できるGUINNESSを開発した。GUIベースの開発環境なので、Python, C++, HDL等の言語記述は必要なく、ニューラルネットワークの設計に注力でき、アルゴリズムや機械学習のユーザでもFPGA実装が可能となる。本講演では背景の技術を紹介し, GUINNESSを使ったデモを実演する。
中原 啓貴
国立大学法人 東京工業大学 工学院 情報通信系 准教授
2007年 九州工業大学 博士後期課程 早期修了、博士(情報工学)取得。同年、九州工業大学 情報工学部 電子情報工学科 産学官連携研究員、2011年 鹿児島大学 大学院理工学研究科 工学系電気電子専攻 助教、2014年 愛媛大学 大学院理工学研究科 電子情報工学専攻 講師を得て、2016年から東京工業大学 工学院 情報通信系 准教授。その間2012年3月英国オックスフォード大学研究員として滞在。多値論理、論理関数の複雑度解析、LSI設計技術、FPGA応用に興味を持つ。近年はディープラーニングをFPGAに効率よく実現する2値化ディープラーニングに取組んでいる。