オスカーテクノロジー株式会社(ブース:E-15) オスカーテックコンパイラ 顧客の逐次プログラムを並列化
国内最大規模の組込み総合技術展「エンベデッドテクノロジー2015」とIoT総合技術展「IoTテクノロジー2015」(主催=組込みシステム技術協会)が11月18―20日、パシフィコ横浜で開催される。進化する組込み技術とIoTの総合展示会として注目を集める、両展示会出展企業の事業戦略や最新ソリューション、ブースの見どころを連載で紹介する。
オスカーテクノロジーは早稲田大学の笠原博徳教授と木村啓二教授が開発した「オスカー並列化テクノロジー」の技術成果を応用したコンパイラを用い、マルチコアプロセッサ上で動作するソフトウエアを並列化するサービスを提供している。
オスカー並列化テクノロジーは独自のマルチグレイン並列処理アルゴリズムにより、膨大なデータを自動で並列化し演算処理の高速化を実現する技術。この技術を応用した「OSCARTechコンパイラ」は、顧客の逐次プログラムを並列化することで高速化・省電力化したプログラムを提供することができる。近年、コンピュータが処理すべきデータは膨大となり、これに対応するためプロセッサのマルチコア化が急速に進んでいる。マルチコアに対応したプログラミングは従来の開発手法では難しく、熟練したソフトウエア技術者と長い開発期間が必要となる。
同社はOSCARTechコンパイラを駆使して、単一コアで動作するようプログラムされた顧客の逐次プログラムを並列化し、動作信頼性を維持したまま高速化・省電力化する受託サービスを提供している。
並列化の手順はプログラムをパーツに分解し、各パーツの実行時間を予測。並列化するとともに各コアへの割り当てを行うことで、高速処理を実現する。また、分解したパーツのタスクごとの周波数およびコアの動作電圧を下げることで消費電力を削減する。
今回、初出展となるET2015ではOSCARTechコンパイラを用いた高速処理や消費電力の抑制技術をデモで紹介。幅広い分野での知名度アップを目指し、高い技術力を訴求する。
同社はOSCARTechコンパイラのライセンス提供も準備中。17年度の提供開始を目指している。
(電波新聞 2015年10月30日掲載記事より転載)
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