アデスト・テクノロジーズ(ブース:D-57) 超低消費電力の抵抗変化メモリー「CBRAM」新シリーズ紹介
アデスト・テクノロジーは新世代メモリー技術と言われるレジスティブ・メモリー(抵抗変化メモリー:ReRAM)を開発・販売するファブレス企業。低消費でコストパフォーマンスの高いメモリー技術をウエアラブルやIoT機器向けに提案している。
同社は07年に米国・シリコンバレーで設立。12年にはアトメル社から低消費電力シリアル・フラッシュ事業を買収し、今年10月には米ナスダック市場に上場した。ReRAMの一種であるCBRAM(ConductiveBridgeRAM)のリーディング企業として多くの特許を保有しており、新世代メモリーのパイオニアとして知られている。
CBRAMは低消費電力でコストパフォーマンスに優れ、1トランジスタ1レジスタのシンプルな構成でDRAM並みの容量を持つメモリー。書き換え時に高い電圧を必要とするNANDやNORフラッシュに比べて低電圧で書き換えを行い、低消費電力を実現する。CMOSプロセスとの親和性が高く、将来的には多値化や3D構造への発展も期待される。
それほど大きな容量を求めず、低消費電力が必須となるウエアラブル機器やIoT機器などに最適。幅広い分野で普及拡大が見込まれているIoT向けでは、CBRAMの需要拡大に期待がかかる。
今回のET2015では、第2世代のCBRAM「Maveriq(マベリック)」シリーズを紹介する。超低消費電力に加え、書き込み・読み出しの速度も速く、システム全体の低消費電力につながる。
読み出し電流が0.25mAと汎用のEEPROMと比べて4分の1を実現。スタンバイ電流もEEPROM比半分の1μA。
現在も同技術を応用した開発を進めており、読み出し電流を汎用EEPROM比で20―100分の1となる0.01mAまで下げた製品を開発。16年のリリースを目指している。
生産プロセスにおいても最新プロセスへの移行を現在進めており、年内には40㌨㍍台のプロセスを用いた製品群のロードマップを公開する予定だ。
会場ではCBRAMのほか、シリアル・フラッシュ製品も紹介する。
(電波新聞 2015年11月13日掲載記事より転載)
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